商品開発はユーザーの記憶を知ることから始めよ

記憶を作る
記憶には、覚えるプロセスと思い出すプロセスとがあります。覚えようとしてもなかなか覚えられないことがある一方、どうでもいいと思っていることを忘れずに覚えていたり、忘れようとしても忘れられない記憶というものがあります。
人がどうやって記憶するのかを知ることによって、消費者に商品を覚えていただく、お客様に会社を覚えていただく、上司に顔を覚えてもらう、などをより効率的に行うことができます。
顔は思い出すのですが、名前を思い出せないなどということが、特に歳を重ねるにつれて増えてきます。また、覚えてもらった商品を、購入する現場で思い出してもらわなければ買ってもらうことはできません。どうやったら思い出してもらえるのでしょうか。
思い出してもらうために記憶の引き出しから記憶を取り出すためには、パソコンでフォルダ管理をするときにタイトルをきちんと付けないと必要な資料が取り出せないのと同じで、記憶にどのようなラベルを付けるかが重要になります。
無意識に覚えている、無意識に思い出すということを知るのも、ビジネスでは重要な意味を持ちます。商品名やブランド名をわざわざ覚えてもらうことはできません。また、消費者が商品を購入する場面で、隣にいて自社製品を選んでくれと連呼することもできません。
思い出すきっかけをどう作るか、きっかけ作りとして店頭でおこなっているPOPなど既存の方法が本当に効果的なのか、意味や効果を考えて行っているか、単に習慣的に行っているということはないか。こうした販売促進の効果を考えるためにも、記憶の構造を知っておくことには大きな意味があります。
ビジネスに生かす脳科学 萩原 一平氏 著書参考